現在、日本で京都クレジットを調達している企業の動機の一つとして、自主行動計画の目標達成が挙げられます。自主行動計画は、1997年に日本経済団体連合会が策定し、2010 年度までにCO2排出量を1990年度比0%に抑制することを掲げています。また、経団連に加盟していない個別業種も含め、自主行動計画のもと各業界団体が定量的な目標設定を行っています。自主行動計画は、政府が義務付けている政策ではありませんが、日本政府が定める京都議定書目標達成計画においても産業部門における主要な取組みとして位置づけられており、企業が自主行動計画の目標達成のために京都クレジットを使用することが想定されています。
自主行動計画では目標の見直しが行われており、目標を引き上げる業種や、新規に目標を設定する業種が増えています。今までは、電力業界や鉄鋼業界等限られた業界が京都クレジットの取得に先進的に取組んできましたが、今後は他の業界にも取組が広がっていくことが予測されます。
2005年度から環境省が実施している自主参加型国内排出量取引制度(JVETS)ではクリーン開発メカニズム(CDM)及び共同実施(JI)からのクレジットの利用が認められています。
また、2008年10月から開始された「排出量取引の国内統合市場の試行的実施」においても、参加企業の目標設定のために、京都クレジットの使用が認められています。試行排出量取引スキームでは、同スキームにおける排出枠の他、国内クレジット(中小企業等における削減によるクレジット)と京都クレジットの利用が認められています。
動機の二つ目は、企業が自ら社会的責任(CSR)を果たすことです。削減目標のあるなしに関わらず、自らの排出を削減しようとする自主的な取り組みの一貫として、京都クレジットを活用することが考えられます。
最近では、企業にとどまらず、会議やコンサート等のイベントを主催する団体や、フライトやドライブ等自分の生活からのCO2排出を「埋め合わせ」したいという個人が、主体的に京都クレジットを購入するケースが増えており、カーボンオフセットとよばれています。欧州や米国では以前から盛んに行われていましたが、日本でも認知度が上がりつつあります。
こうした流れに付随して、オフセットしたい顧客を対象に、例えば排出量の算定や、京都クレジット調達といったオフセット支援サービスも生まれています。
最後に、日本の部門別排出量(次図参照)をみてみましょう。産業部門以上に、オフィス等の業務部門、家庭部門からの排出量が増加しており、今後更なる削減が求められることが分かります。日々の排出削減努力に加え、今後はオフセット商品の活用等、多様な削減手法が想定されます。

出典:2006年度(平成18年度)の温室効果ガス排出量速報値について

出典:京都議定書目標達成計画より作成
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