Main menu:

早分かり京都クレジット調達PDF
※PDFファイルをご覧になるには、プラグイン(Adobe Reader)が必要です。

2. 京都メカニズムの基礎知識 2-5. 京都クレジットへの需要供給と調達方法

商社等が大規模の供給者としての役割を担っている

 日本で京都クレジットを供給しているのは、商社や証券会社等が挙げられるほか、最近では欧州等海外の金融機関も参入しています。供給側の企業は、実際に途上国でCDMプロジェクトを手がけることで、京都クレジットを直接取得しています。

 プロジェクトに直接投資することで京都クレジットを取得することを、一次(プライマリー)取得と呼びます。一次取得の利点として、京都クレジットを比較的安く取得できる点があります。一方、途上国への投資にまつわる一般的なリスクに加え、プロジェクトがCDMとして国連に承認されないリスク、想定していたほどの京都クレジットが発行されないリスク、京都クレジットの発行に時間がかかり第一約束期間に間に合わないリスクといった特有のリスクが存在します。

 一次取得に対して、既に発行されている京都クレジットを取得することを二次(セカンダリー)取得といいます。例えば、既にプライマリーでCERを取得している日本の商社や海外の仲介業者から、セカンダリーでCERを調達する方法です。

調達手段は複数あるが、それぞれ長所、短所がある

 日本では、これまでは電力や鉄鋼等の大口需要家が、CDMプロジェクトに直接投資したり、商社等から購入したりすることで、京都クレジットを調達してきました。しかし、京都クレジットへの需要がより小口へと広がってくるのに伴い、その調達方法も多様化しつつあります。

京都クレジットの信託が開始

 2006年地球温暖化対策推進法の改正を経て、京都クレジットを信託化することができるようになりました。信託の活用方法はいくつかあり、一つは商社等が保有する大口の京都クレジットを信託受益権の譲渡の形で購入する方法です。この方法の特徴として、主に1千t-CO2以上の小口で調達できる、調達するのに国別登録簿に口座を開設する必要がない、といった点があります。

【京都クレジットの信託スキーム】 京都クレジットの信託スキーム

なお、信託を活用した別のアプローチとして、需要家が金銭を信託し、信託銀行が委託者(需要家)に代わって京都クレジットを取得してくる方法があります。

欧州では、取引所取引等日本より活発な取引が行われている

 なお、2005年から排出量取引制度が開始された欧州では、より多様な主体が京都クレジットの売買に関わっています。欧州の取引には、相対(OTC)取引と、取引所取引があります。欧州気候取引所(ECX)BlueNextでは、欧州排出量取引(EUETS)で使われる排出枠(EUA)が上場されています。取引には電力会社や銀行等の金融機関が参画しています。

 一方、日本ではこれまで法律面の制約から、取引所が京都クレジットを上場することができませんでした。しかし、昨今における金融規制緩和の一貫で、銀行、保険会社、取引所等での京都クレジットの取扱いが認められる方向で検討されています。

【京都クレジットの調達手段とその特徴】
調達手段 アクセス先 長所と短所
CDMプロジェクト
への投資
途上国企業
(商社等が仲介する場合も)
京都クレジットを比較的安価に取得可能
× プロジェクトがCDMとして国連に承認されない、承認リスク
× 発行される京都クレジットの量が想定よりも少ない、発行リスク
× 京都クレジットの発行までに時間がり、現時点で一からプロジェクトを開発しても、第一約束期間内に間に合わない、時間上のリスク
他社から相対
取引で購入
商社、証券会社、
仲介業者、欧州企業等
契約形態によるが、デリバリー保証に対する上乗せ価格を支払うことで、売主に一次取得のリスクを移転させ、予定した量を購入することが可能
様々なプロジェクトから選別して、京都クレジットを調達可能
× 取引相手の信用力を認識した上で、契約を結ぶ必要がある
× 一次取得する場合よりも割高
炭素基金から
購入
世界銀行等が運用
する炭素基金
複数の出資者が複数のプロジェクトに投資するため、一次取得のリスクを分散できる
× 今から出資できる基金は少ない
取引所取引で
購入
ECX,BlueNext等の
取引所
取引のプロセスが標準化されており、価格形成が透明
相対取引よりも決済リスクが低い
× 取引所の会員になる場合、一定の資格を充たす必要があるほか、会費や証拠金等の資金を拠出する必要がある
信託受益権
として購入
信託銀行
小口(主に1千t-CO2以上)で購入できる
受益権として保有する限り、国別登録簿(京都クレジットを管理する電子システム)に口座を開設しなくてもよい
× 京都クレジットの現物を受け取ることができるかは、個別の信託の商品設計に依存
× 京都クレジットの現物と比較して、転売することが困難な場合がある
出典:MRI

▲Page Top