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3. 我が国における国内排出量取引制度 3-4. 東京都・埼玉県

東京都「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」について

 東京都は、2007年1月から開始した「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」において、2020年までに東京のGHG排出量を2000年比で25%削減する、という数値目標を掲げています。この目標達成のために、企業のCO2削減を推進する手段として位置づけられているのが、排出量取引制度です。
 2008年6月25日、東京都議会にて「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」の改正条例が可決されました。同改正条例では、2010年度から温室効果ガスの大規模排出事業所を対象に、「温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度」を導入することなどを定めており、2010年4月より同制度導入に伴う削減義務が開始されました。

<温室効果ガス排出総量削減義務と排出量取引制度の概要>
対象 対象事業所 前年度の燃料、熱及び電気の使用量が、原油換算で年間1500kl以上の事業所
対象ガス 総量削減義務の対象ガス(特定温室効果ガス):燃料・熱・電気の使用に伴って排出されるCO2
排出量報告の対象ガス;6ガス(非エネルギー起源CO2、CH4、N2O、PFC、HFC、SF6)すべて
期間 開始 2010年度(検証期間の登録など、対象事業所の事前準備に必要な部分は2009年度から施行)
期間
削減計画期間:5年間  第一計画期間:2010~2014年度
第二計画期間:2015~2019年度
以後、5年ごとの期間
削減義務の開始 2010(平成22)年4月
削減義務
内容
削減義務
対象者
対象となる事業所の所有者(原則)
テナントビルへの対応としては、ビルオーナーを義務対象の基本としつつ、その上で、
(1) 全てのテナント事業者に、オーナーの削減対策に協力する義務
(2) 一定の規模以上のテナント事業者(延床面積5,000㎡以上、または年間電気使用量が600万kwh以上)には、温暖化対策の計画書を作成・提出し、その計画に基づき対策を推進する義務
基準
排出量
2002年度~2007年度までの間のいずれか連続する3か年度(事業者が選択可能)
*現行制度期間内に、総排出量を削減した事業所については、基準年を変えるなど、削減成果を反映するように配慮。
*排出量が標準的でないと知事が特に認める年度がある場合、その年度を除く2か年度とすることができる。
削減義務率
(第一計画期間)
区分 該当する建物等
Ⅰ-1 オフィスビル等(*1)と地域冷暖房施設 8%
Ⅰ-2 オフィスビル等(*1)のうち、地域冷暖房を多く利用している(*2)事業所 6%
区分I-1、I-2以外の事業所(工場等(*3) 6%
*1 オフィスビル、官公庁庁舎、商業施設、宿泊施設、教育施設、医療施設等
*2 事業所の全エネルギー使用量に占める地域冷暖房から供給されるエネルギーの割合が20%以上
*3 区分Ⅰ-1、区分Ⅰ-2以外の事業所(工場、上下水施設、廃棄物処理施設等)

*特に削減対策の推進に優れたトップレベル事業所については、削減義務率を1/2に、準トップレベル事業所は3/4に軽減
履行手段 (1) 自らで削減:省エネなど、自らの事業所で削減対策を実施
i   省エネなどによる特定温室効果ガス排出量の削減
ii   その他ガス(特定温室効果ガス以外の温室効果ガス)の排出量の削減
iii   前計画期間から繰り越した超過削減量
(2) 排出量取引:他者が実施した削減対策による削減量の取得
  • <超過削減量>他の対象事業所が削減義務量を超えて削減した量
  • <都内中小クレジット>都内の中小規模事業所が省エネ等により削減した量
  • <都外クレジット>都外の大規模事業所が省エネ等により削減した量
  • <再エネクレジット>再生可能エネルギーの環境価値換算量及びその他削減量(例:グリーン電力証書、生グリーン電力、都の太陽エネルギーバンクなど)
検証 排出量等
の検証
排出量や削減量は、知事の登録を受けた検証機関の検証を受けることが必要
実効性
の確保
評価・表彰 取組の優れた事業所に対する評価・表彰
罰則 削減義務未達成の場合
(1) 措置命令:義務不足量×最大1.3倍の削減
更に措置命令違反の場合
(2) 罰金(上限50万円)
(3) 知事が代わって命令不足量を調達し、その費用を違反者に請求

東京都が掲げるCO2排出削減のための4つの仕組み
東京都が掲げるCO2排出削減のための4つの仕組み
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埼玉県「目標設定型排出量取引制度」について

 埼玉県では、2009年「地球温暖化対策推進条例」を制定・施行し、同条例により、県内事業所の合計エネルギー使用量が原油換算1500kl以上、または大規模小売店舗のうち店舗面積が1万m2以上の事業者に対し、2010年度から「地球温暖化対策計画書」の提出が義務付けられました。このうち、大規模事業所(原油換算エネルギー使用量が3年連続で1500kl以上の事業所)の所有者に対しては、県が設定したCO2排出削減目標の遵守を求める「目標設定型排出量取引制度」が2011年度から導入されました。

<目標設定型排出量取引制度の概要>
対象 対象事業所 3年連続で原油換算エネルギー使用量が1,500KL以上の事業所
対象ガス 燃料・熱・電気の使用に伴って排出されるCO2
その他の温室効果ガスの削減量は、その事業所の削減目標の達成には利用可能(取引不可)とする。
期間 開始 2011年度
期間 第一計画期間:2011~2014年度
第二計画期間:2015~2019年度
  以後、5年ごとの期間
削減義務の開始 2011(平成23)年4月
削減義務
内容
削減義務
対象者
対象となる事業所の所有者(原則)
基準
排出量
2002年度~2007年度までの間のいずれか連続する3か年度(事業者が選択可能)
*排出量が標準的でないと認められる年度がある場合、2か年度とすることができる。
削減義務率
(第一計画期間)
事業所の種類 目標削減率
第一
区分
事務所、店舗、熱供給事業所等 8%
上記のうち、他人から供給された熱の割合が2割以上であるもの 6%
第二
区分
第一区分以外の事業所(工場、浄水場、下水処理場等) 6%
*特に削減対策の推進に優れたトップレベル事業所については、削減義務率を1/2もしくは3/4に軽減
履行手段 (1) 自らの削減:
  高効率なエネルギー消費設備・機器への更新や運用対策の推進など
(2) 排出量取引:
  • <超過削減量>他の対象事業所が目標量を超えて削減した量
  • <県内中小クレジット>県内の中小規模事業所が省エネ等により削減した量
  • <県外クレジット>県外の大規模事業所における削減量
  • <再エネクレジット>再生可能エネルギーの環境価値換算量及びその他削減量(例:グリーン電力証書等)
  • <森林吸収クレジット>植林・間伐等によるCO2吸収量の増加分
目標未達の措置 罰則なし(ただし、埼玉県が事業者名を公表するとともに、削減不足量は次の計画期間の削減量に加算する。)

東京都と埼玉県の連携について

 2010年9月、東京都と埼玉県は「キャップ&トレード制度の首都圏への波及に向けた東京都と埼玉県の連携に関する協定」を締結しました。その後、同協定に基づき両都県は協議を重ね、2011年5月に排出量取引におけるクレジットの相互利用や検証主任者講習会の共同開催等の具体的な連携内容を決定しました。


東京都及び埼玉県の地球温暖化対策について、より詳しく知りたい人は
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