地球は、太陽からの日射で温められ、その熱を再び放射しています。放射された熱の一部を吸収し、再び地表に戻す働きをしているのが、CO2を始めとする温室効果ガス(Grennhouse gas, GHG)です。GHGがなければ地表の温度はマイナス18℃になると考えられています。GHGの働きがあってこそ、地球は15℃という平均気温になり、人間はじめ生物が生きるのに適した環境が保たれています。
しかし、18世紀半ばの産業革命以来、石油や石炭などの化石燃料が大量に使われるようになった結果、CO2の排出は大幅に増加。気候変動に関する科学者の集まりである気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、1970年から2004年の間に、人間活動による世界のGHG排出量は70%増加しています(図1参照)。

(a)1970-2004年の世界の人為起源GHG(気候変動枠組み条約で扱われる6ガス)の年間排出量
(b)2004年の人為起源GHGに占めるガス別排出量の内訳(CO2換算ベース)
(c) 2004年の人為起源GHGに占める部門別排出量(CO2換算ベース)の内訳(森林部門には森林減少を含む)
出典:IPCC(2007)第4次評価報告書 統合報告書 政策決定者向け要約 図SPM.3
世界平均気温の上昇、海面上昇、異常気象の発生など、既に温暖化の影響が顕在化しており、気候システムの温暖化は疑う余地がありません(図2参照)。

1961~1990年平均との差 滑らかな曲線は10年平均値、丸印は各年の値、青色の部分は不確実性を示す。
出典:IPCC(2007)第4次評価報告書 統合報告書 政策決定者向け要約 図SPM.1.
IPCCの排出予測シナリオによると、どの排出シナリオにおいても、今後20年間で0.4度の気温上昇。その後も、1980~1999年と比較して、2100年までに約0.6~4.0度気温上昇すると予測されています。気温の上昇に伴って、以下のような影響が増加してくると予測されています(図3参照)。

上の図:予測される気候変化(海面水位及び大気中 CO2濃度の変化を含む)に対して予測される、世界的な影響(21世紀における世界平均地上気温の上昇量に対して示す)の例示。黒い線は影響間の関連を表し、破線の矢印は気温上昇に伴って影響が継続することを示す。記述の左端は、影響が出始めるおおよその位置を示す。水不足と洪水に関する量的な記述は、SRES A1FI, A2, B1 及び B2 シナリオの範囲で予測される条件に対する相対的な変化に対して追加的に起きる影響である。気候変化の影響は、適応の度合いによって異なる。気候変化に対する適応の効果はこれらの推定には含まれていない。すべての記述の確信度は高い。下の図:点及び帯は、6つのSRES シナリオにおける2090-2099年についての最良の見積り及び可能性が高い予測幅(1980-1999年との比較)。
出典:IPCC(2007)第4次評価報告書 統合報告書 政策決定者向け要約 図SPM.7.
日本への影響として、『地球温暖化の影響 資料集』によると、コメや野菜・果樹の栽培等に以下の影響が見込まれます。
- コシヒカリの栽培では、現在の苗の移植日程を続けた場合、東北南部から南の多くの地域で、50年後に約10%の減収。
- 夏や秋の気温が高くなることから、トマトが腐る、糖度が下がる、実が軟化する、実がつきにくい等、野菜栽培への悪影響が生じる。
- 気温が上昇すると、コメや野菜・果樹の害虫の個体数や発生回数が増加。冬の低温で死滅していた固体が生き残る率も増え、農業全般に害虫被害の影響が増大する。
気候変動の科学について、より詳しく知りたい人は
- 環境省 地球温暖化の科学的知見
- 環境省 IPCC第4次評価報告書について
- IPCC 第4次評価報告書 統合報告書 政策決定者向け要約仮訳 、概要
- IPCC 第4次評価報告書 第1作業部会(自然科学的根拠) 政策決定者向け要約気象庁訳、概要
- IPCC 第4次評価報告書 第2作業部会(影響・適応・脆弱性) 政策決定者向け要約環境省仮訳、概要
- IPCC 第4次評価報告書 第3作業部会(気候変動の緩和策) 政策決定者向け要約GISPRI仮訳、概要